sangaku

Uncategorized

廃村跡

急に湿気が増した。樹林帯を抜けたところで、視界が開ける。 苔むした石段が、斜面に沿って続いている。幅は広い。登山道ではない。 その先に、崩れた石壁があった。蔦に覆われ、どちらが建物でどちらが樹木か分からないほど絡み合っている。...
Uncategorized

蔦の吊り橋

天候:晴れのちガス気温:山麓22℃/行動中18℃前後行動:6:10〜16:20 未明に起きて、簡易な朝食(行動食はナッツとドライフルーツ)。出発前に沢水を浄水器でろ過して1.5L携行。まだ汗をかく時期なので、こまめな給水が必要。 ...
Uncategorized

妻の行方

妻が家に戻らなくなって、既に一週間が経過しました。 警察には届けましたが、手がかりは見つかっていません。 彼女の異変は、山から戻った9月から始まっていました。あの時増えていた奇妙な専門書や、うわの空の表情...今思えば、全てが...
Uncategorized

天に突き刺さるような憧憬、混雑の中でも感じる静寂

今日は日帰りで槍ヶ岳へ。 妻にも一緒に行こうと声を掛けたが、趣味で忙しいのでダメだと言う。家の中でも端末に向かいっ放しで私のことなど気にも留めていないようだ。 妻が来ないのであればと日の出前から行動を開始したおかげで、上高地からの長い道の...
Uncategorized

雪と岩の交響曲、立山の生命力と向き合う

残雪期の立山。雪と岩が混在し、夏山とは全く異なる顔を見せる。雪渓を登攀する足音、岩稜帯でのアイゼンの金属音は、まるで自然が奏でる交響曲のようだ。 特筆すべきは、別山乗越から見た剣岳の雄姿。その峻烈な岩肌は、人間の立ち入ることを拒否し...
Uncategorized

奥多摩の静かなる盟主、満点の星空の下で

妻の外出は、ここ最近、日が珍しくなくなった。 以前は山行から帰ると「お帰りなさい」と笑って迎えてくれたが、今はどこか上の空だ。聞けば、新しい趣味ができて忙しくなったという。その活動内容を詳しく尋ねても、はっきりしない答えしか返ってこ...
Uncategorized

7000mの白き試練、高所の哲学

次の遠征に向けての重要な高所順応登山として、中国のムズターグ・アタに挑んだ。標高7,546m。酸素の薄さは、人間の理性を奪い、本能的な部分をむき出しにする。 高所での極度の苦痛の中でこそ、真の集中力が生まれる。我々登山家が、なぜこれ...
Uncategorized

「バカ尾根」でのトレーニング、体力維持の大切さ

今日はトレーニング目的で塔ノ岳へ。「バカ尾根」の異名を持つ大倉尾根をひたすら登る。正直、景色を楽しむ余裕もないほど、ひたすらにきつい。自分の体力と向き合うには最適な場所だ。 ペースを落とさずに登り続けることを意識し、タイムアタックの...
Uncategorized

遥かなる世界最高峰の麓へ、ヒマラヤの偉大さに触れる

今年の夏は、少し長めの休暇を取り、ネパールのヒマラヤ山脈を歩いた。目標はエベレスト街道での高所トレッキング。日本の山々とは比較にならない、圧倒的なスケール感だ。 標高が上がるにつれて酸素は薄くなり、一歩一歩が重くなる。高山病の症状と...
Uncategorized

「稜線に立つ」立山三山縦走、夏山の生命力

夏の立山三山(雄山・大汝山・富士ノ折立)縦走。室堂平はまだ雪渓が残り、雪解け水が流れ出す音が心地よい。この時期の立山は、高山植物が咲き乱れ、山全体が生命力に溢れている。 雄山神社に立ち寄り、登山の安全を祈願。そこから続く稜線歩きは、...
タイトルとURLをコピーしました