雪と岩の交響曲、立山の生命力と向き合う

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 残雪期の立山。雪と岩が混在し、夏山とは全く異なる顔を見せる。雪渓を登攀する足音、岩稜帯でのアイゼンの金属音は、まるで自然が奏でる交響曲のようだ。

特筆すべきは、別山乗越から見た剣岳の雄姿。その峻烈な岩肌は、人間の立ち入ることを拒否しているかのようだ。私はあの山に挑むたびに、「未踏」の魅力と「到達」の孤独について考えさせられる。山は、自分の人生のスケールを測る定規なのかもしれない。

残雪期の立山縦走路。雲海と遠方に剣岳の鋭鋒が見える。

妻は、最近新しい趣味ができたと言っているが、知らぬ間に書斎に本が増えていた。それも、認識科学の最前線、意識の非局所性、あるいは古代文明の記憶継承論に関する、非常に難解でマニアックなタイトルのものばかりだ。これらの文献が、どうにも私の心に引っかかる。怪しい新興宗教のようなものに傾倒しているのではないだろうか。

できれば彼女にも、一緒にこの景色を見てもらいたいと切に願っている。

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